Aaron Martinの本源的な美観を映し出す、瞑想的で荘厳な音色
アメリカ/カンザス在住のチェリストであり、マルチ奏者でもある、Aaron Martinのニュー・アルバムが、UKのヘブデン・ブリッジを拠点とするPreserved Soundよりリリースされました。コラボ作品を除けば、2014年に、Eilean rec.からリリースされた、『Comet’s Coma』(本当に素晴らしい作品!限定作品なのがもったいないくらい)以来となります。
アルバムのアートワークの雰囲気で、どことなくPaw Grabowskiのプロジェクト、øjeRumによるコラージュっぽいなと思ってたんですが、そのものズバリで、実は、øjeRumの『Needleshaped Silence』というアルバムでは、ストリングスで参加していて交流もあるんですね。Preserved Soundのレーベルインフォでは、Preservationからリリースした初期の3作『Almond』『River Water』 『Chautauqua』のような作品に回帰しているとあります。それは、記憶の中にある、悲しみと感謝の気持ちが回顧しているかのようでもある。
本人のメイン楽器である、チェロをはじめ、エレクトリックギター、ベース、ロールアップピアノ、バンジョー、コンサーティーナ、アコースティックギター、ボイス、ウクレレ、シンギングボウル、ラップスチールなど、様々な楽器を自ら演奏していますが、生楽器の反復音/持続音のミニマルなスタイルで、彼の特徴でもある、突き刺さるような叙情性がぐっとサウンドとして現れていて、数多くのクラシカルな嗜好性を持った音楽とは違った、リアルな聴き触りに惹きつけられます。
音の波が湧き起こす、優雅さとノスタルジックなサウンドスケープ、それにプラスアルファがあるAaron Martinの音楽。マスタリングはIan Hawgoodが担当。
01. Anticipation of Loss
02. Captive Witness (Smoke Inscription)
03. Form Hanging in Air 03:20
04. First Time Underwater
05. Bending, Wading
06. Surface in Relief
07. Fire Current
08. Wave of Slow Breath
09. Memories Are Drifting Bells
10. Depth of a Glance
11. Moment of Passing 02:18