ベルギー在住オランダ人女性シンガー・ソングライター、Chantal Acdaの歌声を聴くと、なんとも言えない安らかな安心感を覚える。どちらかといえば、様々な表情を持つような歌声ではなく淡々と歌い繋ぐんですが、そこには確かな強い意志のようなものが伝わって来る。
Chantal Acdaと、Adam Wiltzieのプロジェクト、Sleepingdogから、ソロ名義に移った2作目にあたる「The Sparkle In Our Flaws」にしてようやく彼女の作品が日本でも紹介されることになりました。本当に嬉しい。リリース先は、ドイツの老舗Glitterhouse Recordsから(国内はLiricoから)。オルタナ・カントリーといえば、このレーベルを想像する人も多いのではないでしょうか。ちょうど、Distance,Light & Skyでの作品もGlitterhouse Recordsだったので、その延長線上でのことかもしれません。
作品の方は、前作も参加している、Peter Broderick(ピーター・ブロデリック)と、アメリカ人マルチ・インストゥルメンタリスト、Shahzad Ismaily(シャザード・イズマイリー)が全面サポート。また、Heather Woods Broderick(ヘザー・ウッズ・ブロデリック)、Valgeir Sigurdsson(ヴァルゲイル・シグルズソン)、Niels Van Heertum(ニールス・ファン・ヒーアタム)、Eric Thielemans(エリック・ティーレマンス〜Distance, Light & Sky)といった面々も。
アコーステックをベースとしながらもストリングスを含め、前作以上にプロダクションに凝った内容になっていて、サウンドだけを聞いただだけならこれまでのChantal Acdaの作品とはイメージしにくいところもあるかもしれません。この作品で聴かれるゆるやかな高揚感を伴った、サウンド面での豊かな表現力には、ピーター・ブロデリックや、シャザード・イズマイリー、またヴァルゲイル・シグルズソンの個性も散見されます。この彼らの個性がすでに確立された素晴らしいプロダクションも、ともすればChantal Acdaの魅力を損ねてしまうかも…なんて少し心配もしてしまうところもあったのですが、ひとたび彼女が歌い始めると自然と、Chantal Acdaの音楽になっている。
個人的には来日してほしいアーティストの一人なんで、なんとかこの作品がたくさん売れて、来日してくれるといいな〜と密かに願っております(笑)。日本での発売は9月17日でSTOREでも販売いたします。
Chantal Acda「The Sparkle In Our Flaws」
シャンタル・アクダ
『ザ・スパークル・イン・アワ・フローズ』
1. Homes
2. Everything and everyone
3. Games
4. The other way
5. The sparkle in our flaws
6. Up and down
7. Minor places
8. Still we guess