Drombeg「Earthworks」美しいシンフォニーで描き上げた、南アイルランドの大地のためのサウンドトラック

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日本でも紹介されているTiny Leaves、Celerをはじめ良質なアンビエント〜ポストクラシカルな音楽をリリースするUKのレーベルFuturesequence。このレーベルからここ最近リリースされた、Drombegの「Earthworks」と、オーストラリア出身で、現在はシアトルで活動を続ける、Madeleine Cocolasの「Cascade」が素晴らしいので、是非聴いていただくことをお勧めいたします。

ここでは、まずDrombegの「Earthworks」をご紹介。Drombegは、イギリス生まれで、現在アイルランドに住む、マルチインストゥルメンタリスト/作曲家、Thom Brookesによるソロ・プロジェクト。2015年に4曲入りEP「Notes From The Ocean Floor」をFuturesequenceよりリリースしていますが、「Earthworks」は彼の初フルアルバムとなります。

「Notes From The Ocean Floor」は、まるで大西洋の海底から届けられたかのような、デープなサウンドスケープが展開されていましたが、「Earthworks」は、南アイルランドの人里離れた、広大な大地のためのサウンドトラックとして作られただけあって、大地の声に導かれるように、深い祈りのような、また、自然に対する畏怖の念のようなものが入り混じった、神秘的なサウンドスケープが広がる。

「Notes From The Ocean Floor」では、シンフォニックなキーボードサウンドと、ピアノ、ギター、フィールドレコーディング、それに鼓動のような深いリズムが所々で入ったりと、アンビエントなサウンドながらも各楽器の輪郭がはっきりとしたポストロック経由を感じさせるサウンドメイキングでしたが、「Earthworks」になると、それらがまどろみあいながら、幾層ものグラデーションとなり、壮大で響きの中にも、静寂のひと時を映し出す、繊細なピアノであったり、管楽器を取り入れたジャジーなアレンジなど、南アイルランド大地が垣間見せる表情を映し出すようなエモーショナルなサウンドに、しばし耳を奪わてしまいます。

サウンドのスタイルは変わらないんだけど、確かな成熟を感じるDrombegのクラシカルなアンビエント。自然が生み出す荘厳な険しさと、だからこそ生まれる神秘的な美しさ、そして、それを受け止める人が感じる高揚感や、心落ち着かせてくれる穏やさ、それらが実に美しいシンフォニーとなって、この作品に流れているのです。

■Track List
01.Out Of The Dark Sea
02.Handfuls Of Clay
03.Each Morning, A Miracle Of Colour
04.There Has To Be A Heaven
05.The Way Love Emerges
06.Tumulus
07.A Thousand Nights
08.Cesair’s Landing
09.Béarra
10.Lunula 03:53
11.Tumulus II

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2016-03-13 18.33.17

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