まだ見ぬ空想の大海原を眺めているような内省的で美しい音の旅
Enrico ConiglioとMatteo Uggeriの、共にイタリア人アーティストによるコラボレーション作が、アンビエント〜モダンクラシカルの良質な作品をリリースしている、モスクワのレーベルDRONARIVMよりリリースされました。
Enrico Coniglioは、2000年初頭より、Fluid Audio、CrónicaElectronica、Gruen Rekorder、Taalem、Fear Drop / Fario、Glacial Movements、Hypnos、Psychonavigation、Silentes、Touch / Spireなど数多くのレーベルから作品をリリースしている、故郷ヴェネツィア・ラグーンの自然環境にフォーカスした、アンビエント/実験的なドローン作品を主として発表している音楽家。
そして、Matteo Uggeriは、ミラノの作曲家/ビジュアルデザイナーで、Sparkle in Greyというポストロックグループのメンバーでもあります。ソロ作というよりは、共演作が多く、 日本の、Mujika EaselやAndrea Ferrarisとの共演作「Autumn Is Coming, We’re All In Slow Motion」(2010年)が、hibernateよりリリースされてもいます。
Flavio Parrinoによる印象的なアートワークとともに、聴こえてくる2人の音楽は、Enrico Coniglioのピアノ、オルガン、ギターによるスイートでミニマルなメロディーに、Matteo Uggeriのトランペットやドラムが組み合わさり、エレクトロニクスのトリートメントとデリケートなビートとのマッチングによって、穏やかで居心地の良い雰囲気と、時々奇妙さと、退廃的でミステリアスなサウンドの並置によって生まれる、好奇心そそる神秘性、そして内省的な部分が含まれた、”Open To The Sea”は、まるで映画のワンシーンを見ていたり、ぼんやりまだ見ぬ空想の大海原を眺めているかのような気分にさせてくれます。
またゲストもイギリスの俳優John Guilorによる、スポークン・ワードや、日本のネットレーベルelementperspectiveからも配信されている、フィンランドのVioleta Paivankakkara、そして同じく日本でも人気の高い、フィンランドのLau Nauに、イタリアの男女デュオ、ComaneciのFrancesca Amato(とても穏やかな雰囲気を纏ったウィスパーボイスが素敵!)らのゲストヴォーカル陣の参加も、作品の魅力となるアクセントになっていて、この作品をきっかけに、ぜひ彼女たちの作品も興味を持って頂きたいです。
<収録曲>
01. Open To The Sea
02. Jessaias de reduire mes medicaments
03. Up Over The Harbours Lights
04. I Am The Sea
05. Floating Metal Sheets
06. Dutch Street Theatre
07. Now I’m Silent
08. Allarme
09. I Say I May Be Back
Open to the Sea – by E.Coniglio & M.Uggeri from Kanaka on Vimeo.