Federico Durand「Herbario」(laaps)
アルゼンチンに暮らす、音響詩人Federico Durandの最新作「Herbario」がフランスのレーベル、laapsよりリリースされた。laapsは、当店でも取り扱っている、iikki booksのサブレーベルで、これまでに、Off The Sky & The Humble Bee、Tomotsugu Nakamura、Stijn Hüwels + Tomoyoshi Dateなど、日本でも馴染み深い音楽家の作品をリリースしています。
今回の作品「Herbario」は、スペイン語で植物標本集を指し、フェデリコが住む地域の豊かな自然の中で感じる、季節の流れの営みが生み出す循環的な時間性、山の暗い静けさや、月の暦との対話などからインスピレーションを得た、淡く美しいアンビエントを聴くことができます。Herbarioの各楽曲には、フェデリコさんの好きな花や木の名前が付けられているんですよ。
アナログ・シンセや、ディレイなどのエフェクト、カセットや短波ラジオなどを使って生み出される、フェデリコさんの音楽。それは、もはや人が生み出したのかもわからなくなるほど、でも聴けばフェデリコさんだとすぐに分かる、おぼろげでいて、心地よいノスタルジーや人肌を感じる、ミニマルなサウンド。そして、絶え間なく変化を続けるものとは一線を画す、一つの到達点を経た中での成熟さから生み出される、ヒューマニティーをこの「Herbario」から感じ取ることができる。
彼のサウンドはジャンルの境界線を超えたところで、多くの人に愛される魅力がありながらも、何かに媚びたりすることは決してない。甘美でもなく、ナイーヴでもなく、当たり障りのないBGMになることもない、フェデリコさんの人間性に根ざした衝動が作品の根底にはあるんだということを、この作品を聴きながら、改めて強く思った次第です。
今回のアートワークは、iikki booksからリリースした「Pequeñas Melodías」でもコラボレーションした、バルセロナに拠点に活動する写真家、Anna CabreraとAngel AlbarránによるプロジェクトAlbarrán Cabreraが再び手掛けていて、サウンドと呼応するような、世界観が素敵で、想像力をかきたてます。
1. Salvia
2. Romero
3. Nogal
4. Tomillo
5. Menta
6. Cedrón
7. Laurel