James Maloney「Gaslight」(Moderna Records)
ロンドンに拠点を置くピアニスト/作曲家、プロデューサー、James Maloney。彼は、10代の頃、スティーブライヒの「18人の音楽家のための音楽」に影響を受け、彼はミニマリストの音楽に魅了されてゆきます。
そんなJames Maloneyが、2017年にリリースしたデビュー作であり唯一の作品。リリース先は、カナダのレーベルのModerna Records。近年、Daigo Hanadaの作品をリリースしたりしているので、日本の人にも知られるレーベルになりつつある…かな。とにかく、この作品「Gaslight」は、ジャケットのイメージもそうなんだけど、眩しく光る細波を眺めながら、またその波の音をバックグラウンドにこの音楽を聴くとどんな感じになるんだろう?と想像する。ミニマルに奏でられるピアノに加え、トランペットや、ヴィブラフォン〜グロッケンシュピール、エレクトロニクスなどが、可憐に慎ましやかに、緩やかな空間を作り出す。淡く懐かしい感傷が、きらめくさざ波のように幾重にも連なり、ゆったりとした間の取り方も、時の流れを忘れさせてくれ、聴いていて思わず、気持ちのネジが緩んでしまう。
海ではないんですが、一度、森の中で、この作品を聴くという体験をしたことがあって、これが、ものすごく心落ち着く心地よい経験だった。木々の隙間からの光が、音と重なり合い、何ともいえない空間を生み出してゆく。真夏の昼下がりにも、めちゃくちゃよく合う。一時期、この作品と、いろのみの「琹の葉」をよく聴いていた。音楽的にも少し近いかもしれないので、いろのみのファンの人もぜひ聴いてみて欲しいです。
01. Seascape
02. Blink
03. Gaslight
04. Intertwine
05. Lament
06. Gambetta
07. Afterglow
08. Full Colour
09. Rise Slowly
10. Angel Wings