胸のすくような、華やかな躍動感と詩情豊かな演奏、2つの表情を魅せるピアノ・ソロ作品
ノルウェー・オスロ出身のピアニストでコンポーザー、そして作家としての一面も物つ、Ketil Bjørnstad(ケティル・ビヨルンスタ)。
彼の作品は、ECMレコードを中心に、アメリカのチェロ奏者デヴィッド・ダーリングを始めとする音楽家たちとともに、美しく抒情性のあるピアノを聴かせる数多くの傑作を残しており、また、フランスの映画監督Jean-Luc Godardの映画作品にもBjørnstadの音楽を使用するなど、日本での知名度以上に世界で評価の高い音楽家の一人です。
「Images/Shimmering」は、ノルウェーの名門Grappaより、2015年に2作同時にリリースしたアルバム『Images』と『Shimmering』 をセットにしてリリースされたもの。この2作で弾いているピアノは、スタインウェイ、ベーゼンドルファーと並ぶ、世界3大ピアノメーカーの一つ、ベヒシュタインのグランド・ピアノで、それぞれ別々のスタジオで2年間のインターバルを明けてレコーディングした、ソロ・ ピアノ作品です。
『Shimmering』は2012年に、ヘーネフォスのPettersens Kolonial Lydstudioに、40名のオーディエンスを入れて行われたレコーディング・セッション 。そして、『Images』は、2014年に、オスロのPropeller Music Divisionでライヴ・レコーディング。ここでは、オーディエンスは入れず、エンジニアのMike Hartungとふたりだけでレコーディングとなっています。
それぞれ異なる環境下の元、『Shimmering』では、名作「The Sea」や、「Night Song」「Remembrance」「Floating」「Life In Leipzig」などの作品から選ばれている楽曲の、ピアノ・ソロ・ヴァージョンも聴きどころですが、何よりオーデェンスが参加しているからなのか、高いレベルで展開される、胸のすくような、華やかで躍動感ある演奏に鳥肌立ちまくりの弾きっぷりに、しばし呆然とさせられます。
それとは対照的に、ベヒシュタインのグランド・ピアノの持つ透明度の高い音色とともに、研ぎ澄まされた感性が浮かび上がる、『Images』で聴かれるピアノの旋律は、『Shimmering』の魅力とはまた異なった、心模様が詩情豊かに描き上げられている。時折、ペダルを踏みながら弦を擦ったりと、表現に重厚さも加えながらゆるやかに進行してゆく。これが録り直しなしというから驚きです。
[Images]
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[Shimmering]
01. Opening
02. Shimmering
03. Remembrance No. 2
04. Visitor (For Manfred)
05. If Only
06. Pampas
07. Transmission
08. Floating
09. The Sea No. 2
10. Remembrance No. 1
11. The Sea No. 9
12. Kari Danser
13. By The Fjord
14. Late Summer