KIRA KIRA/キラ・キラ『Alchemy & Friends』(AFTERHOURS)
素晴らしい映画を見た後のような、なんとも言えない多幸感溢れる作品
Johann Johannsson、Hilmar Jenssonらと、Kitchen Motorsを立ち上げ、Sigur RosやMumを発掘/サポート。アイスランド・シーンを支えた立役者のひとりとして真っ先に名前が挙がる、クリスティン・ビョークこと、kira kiraキラキラ。アイスランドシーンで長年、信頼されていることは、彼女の来日ツアー時に、少し関わっただけでもわかる。彼女は、音楽だけじゃなくて、さまざまな声が聞ける人だった。そんな彼女が、前作『Feathermagnetik』から6年ぶりに新作『Alchemy & Friends』をリリース(日本盤のリリースは3月16日にアフターアワーズさんから)。
結論から言って、これまでのどの作品よりも、個人的には素晴らしい内容だと断言したい!“何もないところから黄金を作る”をテーマに、コンセプチュアルに制作されたアルバム。イメージとしては、来日時のライヴで演奏した雰囲気や瞑想感も含め、『Feathermagnetik』の延長線上に近い感じだけど、実験的な要素が彼女の世界観の中でぐっと洗練されていて、確かにおしゃれなカフェではBGMにはならないけど、素晴らしい映画を見た後のような、なんとも言えない多幸感溢れる作品です。
参加ミュージシャンも豪華で、コンポーザー、ピアニストとして活躍するDustin O’Halloranや、Ninja Tuneからのリリースで知られるEskmoといったアメリカ勢に加え、Sigur Ros、Mumのメンバーとして知られるトランペッターのEirikur Orri Olafsson、Mumの創設者で現在はフロント・ボーカルを務めるチェリスト、Gyda Valtysdottir、さらにBen Frost、Owen Palletのパートナーとしても知られるShahzad Ismaily、Jahcoozi、The Tape名義での活動で知られるRobot Kochなども参加している。
ちょっと失礼な言い方かもしれないけど、実際、コアなファンだったら理解されるかもしれない良質だけど売れにくいなあ〜という作品をイメージしていたんです。インダストリアル〜ドゥーム・ドローン、チェンバー・エレクトロ、メタリックでトライバルなビートなど、彼女のハードなエクスペリメンタル要素は、正直バンバン売れまくる類ではないんですが、でもほんと良く練られた作品で、決して混沌とした作品ではない。不意をつかれるような、大胆さや、彼女の妖艶で繊細な美しさ、そしてアイスランドの絶景を映し出したような壮大なシンフォニーも、全て想像以上の素晴らしさで、ちょっとびっくり!もちろん激プッシュです!
01. Talk To Your Hands
02. Alchemy For The Heart
03. Forsæla
04. Courage Walks At Night
05. Logandi úlfar
06. Pioneer of Love
07. Call it Mystery
08. And When You Fall You’ll Know You Have A Heart
09. Alchemy For The End
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Naïm Amor & John Convertino「The Western Suite And Siesta Songs」〜砂漠の独特な美しさと伝統音楽が調和した、サウスウェスタン・サウンドトラック LULLATONE「Music for Museum Gift Shops」 Josephine Fosterが、2006年にLocustからリリースした「A WOLF IN SHEEPS CLOTHING」は、19世紀のドイツの著名な作曲家Franz Schubert、Robert Schumann、Johannes Brahms、Hugo Wolfによって書かれた古典的な作品をカバーしたもの。 カナダの要注目レーベルModerna Recordsの最新作〜Tambour「Chapitre I」 Brambles「Charcoal」〜真夜中の静寂さと美しさをサウンドに染め上げた心休まるメロディー