Chantal Acda : Let Your Hands Be My Guide (GIZEH RECORDS/GZH46)
昨年、Sleepingdogのシンガー、
CHANTAL ACDAのソロ作が
Gizeh recordsよりリリースされた。
Gizeh recordsは、
GlissandoのRichard Knoxが
2003年にスタートさせたUKのレーベルで、
クラシカルな要素のあるポストロック寄りな作品が多い印象なんですが、
あまり仰々しいのが好きでない私自身、
リリース作品に思い入れのあるものは
実のところあまりなかったりするのですが、
Sleepingdogだけは別で、
なんといっても大好きな、
Stars of the LidのAdam Wiltzieが関わっている…
というのもあるんですが、
特に繊細で憂いのある、
CHANTAL ACDAによる淡々としながらも、
確かな余韻を残す歌声に
すっかり魅せられてしまったからです。
Sleepingdogは、
CHANTAL ACDAのプロジェクトで、
これまで3枚のアルバムをリリースしています。
Adam Wiltzie(Stars of the Lid, A Winged Victory For The Sullen)
とのコラボプロジェクトになっているのですが、
基本ソングライティングなどは、
CHANTAL ACDA自身で、当初は、
ミックスで関わっているだけの感じでしたが、
2枚目の「Polar Life」あたりから、
Adam Wiltzieの本領発揮、
クラシカルなムード漂う、
ピアノ、ストリングスなどが、
優美に響き渡るアレンジは、
感傷的なメロディーにそっと寄り添う、
CHANTAL ACDAのピュアで色艶ある歌声とバッチリハマっていて、
まさに音響クラシカルフォークといいたくなるもの。
2011年の
「With Our Heads In The Clouds And Our Hearts In The Fields」
をリリースしてから
どうしてるかなと思ってたんですが、
届けられたのは、
Sleepingdog名義ではなく、
本人名義でのリリースでした。
このソロ作では、
もう少しSSW的な、もう少しフォーキーで、
パーソナルな側面を聴かせてくれる作品となっています。
なんといってもこの作品のクレジットで、見過ごせないのが、
Nils Frahm&Peter Broderickの存在。
Adam Wiltzieといい、
彼女は才能あるアーティストを惹きつける魅力がありますね~。
彼女の持つ繊細な揺らめく幻想的な世界を
彼ららしく見事にサポートしていて、
CHANTAL ACDA&Peter Broderickのデュエット曲も収録!
Peter Broderickの「Home」あたりのムードもあって最高です。
ぜひNils Frahm&Peter Broderickのファンの方にも聴いていただきたい作品ですね。
ほかに、MúmのメンバーGyda Valtysdottirもチェロで参加。アートワークはRutger Zuydervelt(Machinefabriek)です。もちろんDurton Studioでの録音でしょう。
余談ですが、数年前、
彼女から来日の打診のメールをもらったことがあったんですよね~。
多分ほかの人にもメール送っているんだろうけど…。
残念ながら実現しなかったんですが、
これ聴くとますます
彼女の歌声を日本で聴いてみたくなりました。
1. Jason
2. We Will, We Must
3. My Night
4. Own Time
5. Arms Up High
6. Lost
7. Backdrops
8. Wintercoat
9. We Must Hold On
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