惑星のかぞえかた「朝を待つ」:暖炉の炎のような、夜の室内楽

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とにもかくにも印象的な名前なのでその存在は、少し前から気にはなっていて、昨年東京のレーベルFLAUからリリースされた、『FOUNDLAND compilation』で、「惑星のかぞえかた」の”少年少女”を聴いたのが始めてだったんですが、そこでのヴォーカル石坂智子の歌声が本当に印象的だった。

このライヴコンピにはRima Kato、Rachael Dadd、テニスコーツ、Predawnなどなど多数の素晴らしい女性シンガーが参加しているんですが、アルバムラストに持ってくるだけある、エンディングにふさわしい胸の締め付けられるような歌唱が、そこにありました。

それからしばらくして、ふいにmmm、muffinなどのリリースで知られる、東京のレーベル鳥獣虫魚からのインフォとともに、「惑星のかぞえかた」のアルバム『朝を待つ』が出ることを知り、あわてて音源を聴かせてもらったのですが、これが本当に素晴らしかったのです。

「惑星のかぞえかた」は、石坂智子(ヴォーカル/アコースティックギター)と宮里啓吾(エレキギター)によるグループで、2010年より都内を中心に活動しています。2011年に1stEPを自主で発表。現在は宮里の関西移住(と、インフォにはあったが岐阜とのこと)に伴い、ライヴの際は、サポートメンバーを入れ活動をしている。

作品の内容は、それまでに、出していた、自主制作CDR『惑星のかぞえかたEP』の楽曲も含まれているんですが、録音/ミックス/マスタリングにテニスコーツなども手がけるエンジニア、大城真を迎え、サポートメンバーに、池上加奈恵/ベース、岸田佳也/ドラム、澤口希/マリンバ・ヴィブラフォン、水谷貴次/クラリネット、といった面々が参加。シンプルさを失わず、星をちりばめたかのような、繊細でかつ、柔軟性に富んだ美しい演奏は、グループの魅力をより膨らませたものとなっています。

まるで夜と朝が入り混じったひと時を映し出すかのような、弦楽器の浮遊感あるシンフォニーの後に、その浮遊感を打ち破るような、アコーステックギターのストロークと、ナイーヴに奏でるピアノとともに時を進める。

石坂の歌唱は、クールなまなざしのような佇まいなんだけど、それ以上に表現豊かな側面も併せ持っていて、時にバンドサウンドの起伏に身をまかせながらフォーク~ロックなどにも何ら違和感なく彼女が描き出す独特の詩の世界観が、伸びやかなメロディーとともに凛と伝わってくる。

ぜひ聴き逃さないでほしい作品です。近くインタビューもアップいたします!お楽しみに。

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<収録曲>

01. 午前中の時間割
02. 嵐が丘
03. 杞憂
04. ふね
05. 飛翔
06. 朝日のありか
07. 少年少女

 

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2014年03月03日 | Posted in 音楽レビュー | | Comments Closed 

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