元CD/レコード店店長が、わりと真面目に結婚式BGMを考えてみた。【その2】
結婚式のBGM 特集。思った以上に面倒ですね。まあ他人事なんで、いっそのこと全篇ジョン・ケージの4分33秒でも良いのではないか?と思ってしまう…とまあ冗談はさておき、成り行きとはいえ、前回の続きを何とか最後までやり遂げたい。
■中座
新郎新婦がお色直しの為に、一時的に会場から退出する。個人的にはこの時点で、かなりお酒が入っているので(お酒の飲めない方のことはわからないので、あくまで酒飲みの側の視点で進めます)、正直いつ中座したかもわからない状況になっている。こうなってくると、何でもありなので、少々乱暴な曲でも大丈夫か?と思うけど、やっぱりここは冷静に無難な曲でまとめたい。ということで、ROGER JOSEPH MANNING JRの「Solid State Warrior」より、”Wish It Would Rain”を。
この曲の注意点は、前曲と続きになっているので、フリーのファイル編集ソフトなどでイントロ部分をフェードインにしてから使用しましょう。
■再入場
お色直し後の入場は、キャンドルサービスや、フォトラウンドなど、ゲストと一番触れ合える時間でもある。当然最初の入場とは変化をつけたいところ。各卓に回ることもあり、時間も結構必要となるので、ここは約15分~20分ほど、曲にすると3~4曲ほど準備したい。
まず1曲目は、女性のエレガントな衣装の中に潜む、奥ゆかしさ…みたいなものを演出したいので、あえて、スローで静かな曲を持ってきたい。ということで、ノルウェー人シンガーSusannaの「Sonata Mix Dwarf Cosmos」よりオープニングナンバーを飾る、”Intruder”を。
▼試聴はこちらから
http://www.allmusic.com/album/sonata-mix-dwarf-cosmos-mw0000580239
そして次は少しづつ盛り上げていきたいので、スウェーデンのAndreas TengbladとAnna Ahnlundによるポップ・デュオ、Ripple & Murmurの作品「Reverie」から”A Brand New Song”を。
▼試聴はこちらから
http://www.gogoyoko.com/artist/RippleAndMurmur
さて徐々にペースを上げてゆきます。カルロス・アギーレのシャグラダ・メドラからリリースの女性シンガー、Francesca Ancarola(フランチェスカ・アンカローラ)の作品「TEMPLANZA」より”Bosque Eterno”を。
そして徐々に、感動のシーン、「花嫁の手紙」への布石として、しっとりと感動モノなナンバーを差し込んでおきたいので、同じく、フランチェスカ・アンカローラの作品「TEMPLANZA」からになるんですが、”Un Barco de Papel”で。楽曲の試聴がなかったので、ライヴ映像を。ほぼこんな雰囲気なんですが、スタジオ曲はもう少しさらっとした感じでしょうか?にしても名曲/名唱です。
Barco de Papel from Hemiola Trasandina on Vimeo.
■花嫁の手紙
ついにやってきました。泣けるシーンの登場です。ここで変に白けるゲストの方にも、既に泣きまくっている友人も、泥酔状態な方にも、ぜひ手紙の内容に皆さんを引き込みたいところ。なんでここはド直球で(個人的にはですが)、 The Pearlfishersの「Up With The Larks」の”Blue Riders On The Range”を。もうこの作品最高ですよ。後半は涙腺緩みっぱなし。泣けるけど幸せな気分になれます。ほんとお父さんお母さんありがとう!って感じ。特にこの曲は序盤ヴォリュームを落とし気味で、さびから徐々に上げてあげるとより感動を煽ることができるのではないでしょうか?
残念なのが、この曲の試聴が、どこ探してもサビ前までしか聴けるものがないんですよね~。ぜひ購入してください。
▼試聴はこちら
http://www.pearlfishers.co.uk/site/larks.htm
■送賓
さて最後となりました。やはりここは二人の門出を祝うということで、アイスランドのバンド、ParachutesのEP「Tree Roots」より”Tree Roots Turn To Forts”で締めくくるとしましょう。Parachutesは、シガー・ロスのヨンシーとのユニット、“ヨンシー&アレックス”や、その後、アイスランドのキーパーソンとなっている、アレックス・サマーズが参加していたバンド。現在は解散しており、作品も入手が難しい状況です(デジタルでは購入可能です)。3分ほどのちょっと短い曲なので、その後、この作品の最後の曲”Where Were You?”を繋げると、式の終わった後の余韻というものをほのかに演出してくれるでしょう。