Tiny Isles 「The Long Seasoned Sleep」~密やかな実験性が心地よくそよぐエレクトロ作

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東京在住のアーティストIan Hawgoodが中心として2009年にスタートした、Home Normalというレーベル。もう5年も経つんですね~。最初のリリースは、Library Tapesでした。そこからCeler、The Boats、Chihei Hatakeyama、Offtheskyなどなど、リリースペースもさることながら、アンビエント~エクスペリメンタル・ミュージックにおける実に旬なアーティストをセレクションしてくるんですよね。

で、Home Normalでもかなりのペースでリリースしているのに、そこからTokyo Droning(限定盤ですが凝ったパッケージが素晴らしい)、Nomadic Kids Republic(逆にカードスリーヴの簡易なパッケージ)とそれぞれコンセプトの異なったレーベルを増やし(音楽のジャンルはほぼそれぞれ統一感はあるんですが)、さらに2013年には、KOMU (Koen Music)というレーベル(Black Elkは必聴!)まで…。とにかくどうやってレーベル管理しているのか聞いてみたいところなんですが、今回ご紹介のTiny Islesは、このKOMU からリリースされているグループです。

メンバーは、Christopher Hipgrave、Jason Corder (offthesky)、そしてIan Hawgood。いずれの面々も、Home Normalからリリースされているアーティストです。当初は、Ian Hawgoodと、Christopher Hipgraveでスタートし、のちに、Jason Corderが加わった、という流れみたいです。またこの作品には、Rie Mitsutake (Miko)、Erik Schoster (He Can Jog)、Antony Harrison (Konntinent)、Ben Chatwin (Talvihorros)という面々も参加して、あたらためてイアンの交友関係の広さを感じます。

そんなこんなで、なんと5年もの時間をかけて作られた本作。繊細で浮遊感なるアンビエントを生み出す、Christopher HipgraveとIan Hawgoodに、ジャジーなテイストときめ細かな電子音のテクスチャーを持ちこむ、Jason Corderによる個性がゆるやかに溶け合った作品で、本当にジャケットの澄んだ水色のような心洗われるオーガニックなアンビエンスに、ミニマルでアブストラクトなビートを絡ませたり、Rie Mitsutakeのポエトリーをフューチャーしたり、密やかな実験性も折り込みつつアルバムは展開してゆきます。

マスタリングはTaylor Deupree。ちなみに、この作品には、ヴィンテージ・スライドが封入されています。まさに休日の穏やかな午後にぴったりのサウンドトラックですよ。

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2014年03月30日 | Posted in 音楽レビュー | | Comments Closed 

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