祝初来日!アルゼンチン人アーティスト、Federico Durand最新作&関連作がリリース!

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現在来日中の、アルゼンチン人アーティスト、Federico Durandの最新作「El estanque esmeralda」と、畠山地平とのユニットOpitopeや、Corey FullerとのIlluhaでも素晴らしい作品を聴かせてくれている、伊達伯欣(ダテ・トモヨシ)の2人によるプロジェクト、Melodiaの、2013年にLPでリリースされ、現在入手困難だった作品「Saudades」が来日のタイミングにあわせ、それぞれspekk邂逅よりリリース/CD化されました!

▼Federico Durand「El estanque esmeralda」
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▼Melodia「Saudades」
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アルゼンチンでは、国語の先生でもある、Federico Durand。Kualauk Tableのサイトでは、伊達さんが彼の素敵な人柄も含め紹介してくれていますので、ぜひご一読を。

まずは、「El estanque esmeralda」について…昨年NYのDesire Path Recordingsからの「El idioma de las luciérnagas」に続く、最新作なんですが、ずばり、これまでの作品で一番の内容ではないでしょうか。

『El estanque esmeralda(エメラルドグリーンの池)」と題された本作は、子供の頃に訪れた池の情景からインスパイアされて制作したとか。

▼勝手なイメージ?
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サウンドの表面上は相変わらずな、フェデリコさんらしい、やさしく儚いドローンサウンドに包みこまれるため息ものの美しさ。まるで自然界の息遣いのような繊細であたたかい電子音に、日常生活の背後にある物音や、淡い公園で戯れる人たちのなどのフィールドレコーディングが折り重なり、独特の浮遊感と情景を生み出してゆく。

ただ、これまで以上に、音が研ぎ澄まされているというんでしょうか?ぼんやり~うっとりという序盤から徐々に、聴く側の意識が明らかにサウンドの虜になってゆくのが自分自身でわかってくる。夢見心地なんだけど、サウンドの質感に時々ハッとさせられる。刺激的という言葉とはまた違った、忘れかけていたものがふいに思い浮かんできたときのような?感じとでもいうか…。

それにしても、電子音楽の抽象的な表現スタイルの中、ここまで、魂が浄化されるような優雅な響きを生み出す人って海外でもなかなかいるものではないでしょうね。不思議と、日本人のサウンドアーティストに散見される、自然に対する詩情豊かな部分と、奥ゆかしさみたいなものが彼のサウンドにも感じられるところがある。

おそらく実験精神も含まれながらも、日本で、彼の音楽が多くの人に支持されているのは、もしかしてそういったところもあるのかも。ともかく、本人も、「これまでの最高傑作!」と断言しているみたいだし、何度もなんども聴いた私自身の耳もそれには大いに同意するところ。

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それから、Melodiaの「saudades」!書き下ろし曲4曲を加え、邂逅よりうれしいCD化!これ、アナログと配信だけだったんで、CDで欲しかった人も多かったのでは?もうジャケの鹿さんからして個人的にはツボな感じなんですが、音楽の方も、会話や波の音などの様々なフィールドレコーディングと、ギターやウクレレ、ベル、パンプオルガン、ツィター、エレクトロニクスを用い、繊細に織りなすFederico Durand、伊達伯欣、2人の個性が見事に溶け合った、素敵すぎるMelodiaのサウンド。

ゆったりと、まどろみながら、フィールドレコーディングの情景とともに聴こえてくるその旋律は、どこか心をそっと締めつけられるような懐かしい気持にも…。

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「El estanque esmeralda」「saudades」どちらも聴き逃せない作品ですよ。

「El estanque esmeralda」「saudades」はPASTEL RECORDSでご購入頂けます!

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2014年04月04日 | Posted in 音楽レビュー | タグ: , , , Comments Closed 

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