写真家、ビジュアルアーティスト、そして、デヴィン・ゲイリー・アンド・ロスのメンバーというミュージシャンでもあるロス・ゴールドスタインの2枚目となるソロ・アルバムが、Northern Spyよりリリース。約10年ぶりとなるソロ・アルバムです。キャッツキル山脈にあるロスの自宅で、2年にわたり録音されたもので、バンドサウンドのアンサンブルというよりは、宅録の親密さが表れた、ドリーミーでサイケなロック/ポップ作です。温かみのあるシンセ、ギター、チェンバロ・ポップ・オーケストレーション、そしてロス自身のフィールド・レコーディングが加わり、歌心あるヴォーカルと甘酸っぱくポップなメロディーが、たまらなく切なく心地よい…はずなんですが、アレンジが奇妙に一癖ネジれてて、一昔前だったらカルトポップの裏名盤で紹介されてもおかしくないかもしれません。聴き進めていると、60年代的だったり、80年代のAORだったりチープなホール・アンド・オーツ風だったり…だけど、やっぱり芯の部分で、楽曲の誠実さみたいなものが優っていて、アレンジの奇妙なねじれ具合も、聴き手にとっても程よく刺激があって、癖になるんですよね。
<収録曲>
01. Silent Meow
02. Green State
03. Ca-li-fo-rnia
04. Disco Donut
05. Stone Skipper
06. Chessie
07. The Minotaur
08. Upstate Blues
09. Sandhills
10. Curtains
11. Blueberry
12. Pocket Camera