Steve Gunn – Other You 〜「明治の森 箕面 音羽山荘」月一レコードセレクト(9月)
箕面にある、『”音羽山荘”さんで聴きたいレコード』企画。9月は「Steve Gunn / Other You」を選んでみました。(これまでのセレクトはこちら)
■ 明治の森箕面 音羽山荘
明治の森箕面国定公園の入り口すぐの場所、素晴らしい箕面の景観の中に佇む、風情溢れる老舗旅館。建物は大正時代に建てられた歴史ある邸宅を改築したもの。出張販売のイベントの時も、皆さん親切だっあなぁ〜。箕面大滝を訪れた方なら必ず目にしているはずです。
2021年9月のセレクト
■ タイトル:Other You
■ レーベル:Matador
■ リリース年:2021年
暑い日はまだ続くけど、夏が徐々に別れを告げ、確実に季節は変化している9月の音楽。ペンシルベニア州出身のシンガーソングライター 、Steve Gunnの作品「Other You」の冒頭、軽やかにかき鳴らされる、アコーステックギターのコードストロークに、淡いサイケデリアを含んだエレキギターに、ピアノ、そしてスティーヴ・ガンの歌声が聞こえてきた瞬間、なにか停滞していたものが去り、心がふっと軽くなる気がした。
現在はNYブルックリンを拠点に活動しているSteve Gunn (スティーヴ・ガン) 。まだまだ日本では知る人ぞ知る的な存在だけど、キム・ゴードン、カート・ヴァイル、ライリー・ウォーカーから大御所マイク・クーパーやマイケル・チャップマンまで、新旧一癖も二癖もあるアーティストたちから多くの賛辞を集める実力派ギタリストである。
通算6作目となる作品「Other You」は、エリオット・スミスやベックなどを手掛けた、ロブ・シュナフをプロデューサーに迎え、これまでの良質な作品群の中でも、より一層、彼の歌心と、豊かな質感を感じることができる。ジュリアナ・バーウィック、メアリー・ラティモア、ブリジット・セント・ジョン、ジェフ・パーカーなど、ゲスト参加のクレジットを見るだけでこの作品の素晴らしさは伝わってくるのですが、なによりも、歌も含めた、彼の豊かな音楽性(アメリカーナ、サイケ・フォークや、ブルー・アイド・ソウルなど)がこれまでの作品では感じることのなかった多彩なアレンジとともに反映されていて、彼の新たな魅力に包まれている。
柔らかでほのかなサイケデリアを纏ったギターと、ピアノを含めたバンドサウンドがきらびやかで、聴いてて本当に心地よい。タイトル曲にもなった「Other You」について…ヴォーカルの録音時、うまくメロディーを歌えないでいたスティーヴ・ガンに対し、ロブ・シュナフが、スティーヴの声をコンピューターに取り込み、ヴォーカロイドのように、コンピューターを使ってメロディーを再生しながら、「もう一人の自分に向かって歌え」と言ったところからなのだそう。
A1. Lately
A2. Here Before
A3. Wayward
A4. Hidden
A5. Against The Sky
A6. Turning Backs
B1. If I Were
B2. Same But Different
B3. Brother
B4. Feet Of Clay
B5. Wayward Hum
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