Rick Deitrick / River Sun River Moon 〜「明治の森 箕面 音羽山荘」月一レコードセレクト(10月)

箕面にある、『”音羽山荘”さんで聴きたいレコード』企画。10月は「Rick Deitrick / River Sun River Moon」を選んでみました。(これまでのセレクトはこちら

■ 明治の森箕面 音羽山荘
明治の森箕面国定公園の入り口すぐの場所、素晴らしい箕面の景観の中に佇む、風情溢れる老舗旅館。建物は大正時代に建てられた歴史ある邸宅を改築したもの。出張販売のイベントの時も、皆さん親切だっあなぁ〜。箕面大滝を訪れた方なら必ず目にしているはずです。

2021年10月のセレクト

■ アーティスト:Rick Deitrick
■ タイトル:River Sun River Moon
■ レーベル:Tompkins Square records
■ リリース年:2017年

10月の音楽は、なんとなくRick Deitrickの作品がいいなと、前から思っていた。アメリカはロサンゼルス在住のギタリスト、Rick Deitrickは、かつて、自然の中にインスピレーションを求め、特にアメリカ西部に点在するさまざまな川のそばに座って曲を作ることが多く、時には川の中の岩の上に座って曲を作ることもあったという。集めたアイデアを録音するために、文字通り山から出てきてスタジオに駆けつけるたりも。1978年に発売された「Gentle Wilderness」は、500枚のプライベート・プレスで彼の唯一の公式作品として発表されましたが、それら殆どは流通には乗らず、公演会場や楽器店で直接販売されたり、図書館に寄贈する以外にも、ハイキングコースにアルバムを置いて、人々に見つけてもらったことも。

今回紹介する『River Sun River Moon』は、前述の「Gentle Wilderness」と同時期の未発表音源で構成された作品で、本来ならオリジナル作品のほうが魅力的に感じるものなんですが、個人的には、どちらも素敵な作品だという前提であえて言うなら『River Sun River Moon』の方がどこか、アコーステックギターのフレーズに、澄んだ音色と、暖かみがより感じられて、美しい重層的な調べの中にも親しみを感じます。Rick Deitrickの独特のフィンガーピッキングスタイルの演奏は、トラディショナルなスタイルで奏でられるフォークミュージックのギタリストとは違い、まるで、彼の目の前に広がる情景を映し出したような豊かな響きが特徴です。

正直、Rick Deitrickは、特別有名なギタリストでもない。例えば、近所でめちゃくちゃ演歌の上手い、世間からはちょっと変わり者のにいちゃん…といった感じ?に近いかもしれない。音楽だけで生計を立てて、ビックになる!という欲も彼の音楽からは感じないけど、その代わりに、何処にも靡かないギターの響きには、どこか親近感が湧いてくる。「River Sun River Moon」を聴いていると、アメリカには有名無名数多くの素敵な作品が、まだまだ星の数ほどあって、多くの人が聴いたことも名も知られていない人の、名作たちが、誰かに発見してもらえるのをじっと待っているんだろうなぁ〜?なんて思い耽ってしまうのです。

A1. Morningstar
A2. Abedonia
A3. Sparrows
A4. Shenandoah
A5. River Sun
A6. River Moon
B1. Wide River
B2. Twilight Caravan
B3. Away
B4. Ballet La Jeunesse

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