【インタビュー】惑星のかぞえかた

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先日、この公園喫茶の音楽レビューでもご紹介した、 惑星のかぞえかた「朝を待つ」。皆さんもうお聴きになりましたか?(作品のレビューはこちら)石坂智子(ヴォーカル/アコースティックギター)と宮里啓吾(エレキギター)による素敵なデュオと、ベース(池上加奈恵)、ドラム(岸田佳也)、マリンバ/ヴィブラフォン(澤口希)、クラリネット(水谷貴次)のゲストミュージシャンによる、繊細でかつ、柔軟性に富んだ美しい演奏は、より「惑星のかぞえかた」が描き出す世界観を見事に引き出しています。既に、次の作品(5曲入のミニアルバム?)が4月にRONDADEからリリースが決定しており、にわかに私の中で盛り上がってきておりますが、ひとまず、「朝を待つ」リリース後の、インタビューをご紹介いたします。バンド名の由来、「朝を待つ」について…などなど。石坂さんにメールでお聞きしました。

「惑星のかぞえかた」ってどういうきっかけでスタートしたんですか?

元々宮里くんがメンバーだったuniというユニットがライブをする際に、私(石坂)がサポートで入ったんです。そこで1曲作るノルマがあり、作った曲がアルバムにも収録されている「ふね」という曲でした。そのあと続けて曲が何曲か出来たので、宮里くんに手伝ってほしいとお願いしたのが始まりです。宮里くんの感覚で音を選ぶところがいいなぁと思いました。

よく聞かれるとは思いますが、グループ名の由来は?

名前何にしようかね?と2人で話していた時に、宮里君が「お父さんが最近、かぞえ歌の歌詞を書いたんだ。」という話をしていて、「かぞえうたは?」「かぞえかたは?」「惑星のかぞえかたは?」と言葉遊びの様な感じで決まった、と記憶してます。

曲作りはどのようなプロセスで出来上がるのですか?

曲の流れ、歌詞を私が作って、2人でスタジオに入って膨らませていく、というのが基本的な作り方です。演奏しながらアイデアがでてきたら盛り込んでいきます。

「朝を待つ」と付けられたタイトルの意味について教えてください。

収録曲「朝日のありか」の曲名に呼応してつけました。朝のイメージは、一日の始まり。夜の終わり。静けさ。輝く日の出。夜明け前に目が覚めたときに、早く朝が来て欲しいなぁと思った気持ちをそのままにタイトルにしました。最近はとても良く眠っています。

歌詞には、石坂さん自身の浮かび上がる心象を投影させたような印象を受けるんですけど、詩を書くのは得意な方ですか?

得意ではないと思います。話すときも語彙も表現方法も少ない方だと。心象という点では、自分、友人、家族、出会った人の心象を想像して書きます。見たものそのままを言葉に置き換えてみることもあります。心象風景も含め、記録や情景描写のつもりで書いています。

自主制作の「惑星のかぞえかたEP」とは違ってサウンドの表現が素晴らしいですね。シンプルさもキープしながら、歌の表現力がサウンドとともにより豊かになっていて、歌と歌の間のインタールードも結構取っている曲も多いですし。演奏面に関しては具体的に参加メンバーにどのようなリクエストしたんですか?

ありがとうございます。曲のアレンジは基本みんなのこうして欲しいという自分のこだわりどころは伝えました。逆にアイデアを取り入れもしました。各メンバーの、”らしさ”が損なわれないと良いなというのは気にするところでした。勉強になることが多かったですね。曲間のインタールードもミックスのほとんどもエンジニアの大城真さんにおまかせしました。

“朝日のありか”のサウンドのムードがヴァンダイクパークスの「ディスカヴァー・アメリカ」のようなバーバンクサウンドっぽかったんですが、偶然こうなったんですか?

バーバンクサウンドぽいと言ってもらえて嬉しいです!ヴァンダイクパークスのアレンジはとても好きです。とても自由で魔法のようだと思います。この曲の原風景は友人たちについてです。最初の着想として”ビール片手に踊ってる友人たち”というイメージから、ゆったりめのラテンのリズムを選びました。ボーカルとギター2本とマリンバが入った時点で、ピアノのパートはヴァンダイク先生のような、半音のイメージを入れていきたいなと思いました。(が、しかし難しかったですね~)この曲は澤口さんらしい跳ねるフレーズと、岸田さんとかなえさんのグルーヴが出色で、踊れる感じになってよかったです。録音できて嬉しかったですし、演奏している時も楽しいです。

アートワークも素敵ですね。ケースからCDを取り外すと、モノクロ画で、朝が来て座っていた鳥が飛び出した後のシーンも描かれていて、手が込んでるな~と。石川恭子さんについても教えていただいてもいいですか?

石川さんは、宮里君と私が学生の頃からの友人で、今私が使ってるTakamineのギターを譲ってくれた人です。学生のころから一途に絵を描き続けている方で、そのことに刺激を受けています。作ることに関しての先輩という感じがしています。音源を聴いて、石川さんなりの物語を絵にしてくれた事が嬉しかったです。すごいなーと思いました。また作風における新しいチャレンジを、今作のジャケットに盛り込んでくれたことも感慨深いです。http://torimonchi.com/

最近はどんな音楽を聴いていますか?

友人が教えてくれた、fox&suiの「Taboo」というミニアルバムと、同名義のmixtapeをよく聴いています。トラックが素晴らしくて、ボーカルもとてもとても可愛らしくて。ゆらゆらとしてポップでごきげんです。お気に入りです。

もし、「惑星のかぞえかた」でカヴァーをするとしたら、誰の曲をカヴァーしますか?

出来るかどうかは別として、ブリジット・セントジョン、アン・ブリッグス、ランディ・ニューマンの”I Think It’s Going to Rain Today”など…やってみたいです。あと日本の童謡のアレンジをしてみたいです。遠い目標としてですが。好きな曲だからカバーしよう!という気持ちにすぐ移れない部分がありますね、好きであるが故に。自分で出来る演奏方法でジュディ・シルのカヴァーをやってみて、聴いた方の中にはそこからジュディ・シルを聴きはじめたという方もいました。そういう話を聞くと、出来不出来をおそれずやった方がいいのかもなぁと思います。どなたかこれやってみてというのがあれば、逆に教えていただきたいです。

interview & text by 寺田兼之

 

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2014年03月19日 | Posted in インタビュー | | Comments Closed 

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